Domaine de la Senechaliere 


オーナー:Marc PESNOT (マルク・ペノ)


ロワール地方ペイ・ナンンテ地区

醸造元名

Domaine de la Senechaliere
(ドメーヌ・ド・ラ・セネシャリエール)

原産地呼称 Vin de Table (ヴァン・ド・ターブル)
家族 奥様:Yolaine (イヨレーヌ)
総畑面積 18ha
歴史

"ペノ家は1890年頃からこの地でワインを代々造り続けてきた。マルク・ペノ氏は、1980年からである。当時は通常通りAOCミュスカデを生産していた。
始めてまだ間もない頃、仲間の生産者たちと一緒に、世界中の白ワインとミュスカデのワインを目隠しで飲み比べた。結果、自分たちの造るミュスカデの評価が最も低く、その味わいの酸っぱさ、薄っぺらさに驚愕した。
しかしペノ氏はこう思った。「この地で世界一美味しい白ワインを造ってやろう!」と。ここからペノ氏の挑戦が始まった。"
当時ソムリエをしていた弟を介して、多くの生産者たちと出会った。中でもペノ氏に感銘を与えたのは、自然派ワインの先駆者たちであった。彼らから多くを学び、また自分でも実験と失敗を繰り返しながら独自の製法を開発し、自然なぶどうの旨味がたっぷり感じられるワインを造るようになっていった。
その一方で、一般的なAOCミュスカデのワインとの違いは年々大きくなり、やがて官能検査で「ミュスカデらしくない」と判断されるようになった。旨味があり過ぎるのだ。それ以来ペノ氏はAOCを捨て、Vin de Table(テーブルワイン)というカテゴリーで、本物のワインを行っている。

地理 フランスの北西部を流れるロワール河の下流、ナントという街の周辺に位置する。ロワール河の支流である「セーヴル川」と「メーヌ川」が合流する流域の産地で、「Muscadet de Sevre-et-Maine sur Lie(ミュスカデ・ド・セーヴル・エ・メーヌ・シュール・リー)」というように、河川名がAOCに使われている。
気候 大西洋の影響を受ける海洋性気候で、冬の寒さは穏やかで、夏は乾燥した気候となる。ミュスカデ地区は北にロワール河、南にセーヴル川とメーヌ川が流れており、この地区特有の気流によって、雷雨が発生しにくいミクロクリマ(微気候)となっている。
土壌

砂利や岩が多く、片板岩(シスト)を含んだ土壌。フランスは大部分が石灰質土壌であるのに対し、このシスト土壌は非常に珍しい。ここで育つブドウは、ミネラル豊富で酸味の強いワインになる。
0.5haの畑でぶどう一株一株の回りに牡蠣の貝殻を粉末状にしたものを撒き、土地のエネルギーを高めるという、ペノ氏独自の試みを行なっている。目的は@土壌の酸度を下げて地中の栄養分の吸収を促進させるA白い粉末による日差しの反射を生かした日照量の増大及び表土の温度上昇による熟成度のアップBビオディナミの方法に見られるイラクサやヒレハリソウの煎じ薬を噴霧するのと同じ目的で、牡蠣の貝殻の粉末が土壌のエネルギーを強くする、等である。海底でワインを熟成させたこともあるペノ氏は、飽くなき挑戦を日々続けている。

栽培

雨の多い産地という非常に難しい条件の中、農薬や化学肥料を一切使わない有機栽培を実践し、畑の微生物を死滅させることなく、生命力のある生きた土壌を保っている。(エコセール申請中)
その土壌にしっかり根を張った樹齢の古い樹を非常に大切にしている。そしてその根が地中深くから吸い上げてくるミネラルや養分を、1つ1つの粒に出来る限り凝縮させるため、収穫量を極端に落としている。
またペノ氏は、失われつつある品種「アブリュー」を使って、驚くばかりの上質な赤ワインを造っている。

収穫

ミュスカデ地区では、採算の都合上、90%の蔵が機械摘みする中、ここでは健全な果実のみを選び、全て手摘みで行う。その上、株や房によって熟度に差がある年には2度に分けて収穫するという徹底ぶり。また運搬には小さな箱を用い、ぶどうの重みで粒がつぶれないよう気を遣っている。
収穫時にSO2(亜硫酸)は添加しない。培養酵母も添加せず、天然酵母の活動により、自然に醗酵が始まる。

醸造

独自の醸造法:「ニュイタージュ」の紹介                                                     ペノ氏は、「ワインのオートクチュール」と呼んでいるセネシャリエール独特の醸造方法「ニュイタージュ」により、品種の個性を生かした香り高く豊かなコクのあるミュスカデ造りを目指している。
ナント地区ではまだ誰も取り組んでいない「ニュイタージュ」は、醸造を始めると夜中も醗酵槽につきっきりとなる大変な重労働(「ニュイタージュ」はフランス語の「ニュイ(=夜中)」からペノ氏が造った言葉)で、ワイン造りに全力を尽くすペノ氏だからできる、今後が注目される方法である。
ペノ氏は、良いワイン造りはまず丹念に、そして素早く厳選したぶどうが必要だと考え、果汁が空気に触れて香りを失わないよう、収穫したぶどうをプラスティックケースに入れて潰れないよう注意しながら運搬する。次に葡萄を除梗せずに丸ごと醗酵槽に入れ、ドライアイスを入れて温度を5℃位にする。温度は最終的に12℃前後に維持し、炭酸ガスによって空気との接触を遮断した状態を6〜7時間保つ。するとぶどう粒の細胞内でゆっくりと還元的醗酵(酸素が無い条件の元で起こる醗酵、本人は「フェルマンタシオン・アロマティック」と命名)が始まる。
この処置をすることによって、                                                                             1)葡萄皮の裏にあるポリフェノールが無理無く抽出され、香りと旨味が最大限に表現される           2)低温でしか活動しない数種類の自然酵母が、短期間に入れ替わりで醗酵活動する                     という効果が挙げられる。
6〜7時間後、真夜中の3時頃に手作業にて(金属もポンプも使用せず)葡萄を取り出してプレスにかける。1回目と2回目のジュースのみをタンクに入れて20時間の清澄作用を行なう。次に醗酵槽に移して17〜18℃で低温自然醗酵を行なう。この時酵母菌は全て自然酵母のみで、亜硫酸も一切添加しない。腐敗果が混ざっていないからこそ、亜硫酸無添加で醸造ができるのである。

品種構成

Musucadet (ミュスカデ)(= Melon de Bourgogne ムロン・ド・ブルゴーニュ)
Gros Plant (グロ・プラン) (=Folle Blanche フォル・ブランシュ) : 3ha
Abouriou (アブリュー) : 0.28ha

植え付け密度 7,000本/ha
剪定 ギュイヨ・サンプル
評価・プレス

★ワインガイドブック「ヴァン・エ・ヴィニョーブル・エ・ヴィニョロン」(エレボーレ社)にて高評価。
★ワインファンに定評のある「ギィド・アシェット」にて高評価。
※コンクールには一切出展していない。ペノ氏のワインの醗酵・熟成期間が長いため、出展時
  期に間に合わない。

Domaine De L'arjolle   

テスランさん親子


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ラングドック地方

歴史 テスラン家がこのドメーヌを手に入れたのは1850年。4代目のルイ=マリ・テスラン氏の代になってから、急速に品種改良が進んだ。現在は、5代目のフランソワ氏が引き継いでいる。
オーナー Francois TEISSERENC (フランソワ・テスラン)
家族

父:Louis-Marie TEISSERENC (ルイ=マリ・テスラン)、母:Marie-Pierre (マリ=ピエール)
奥様:Benedicte (ベネディクト)、長女:Ema (エマ)、'02生まれ、長男:Paul (ポール)、'03生まれ
次男:Timothee (ティモテ)、'05生まれ、次女:Zoe (ゾエ)、'10生まれ

総畑面積 108ha
地理 ラングドック地方の中心都市モンペリエから、西へ約40kmの「モン・セヴノル」という標高250mの小高い山の裾野に葡萄畑を所有している。
気候 夏は乾燥して暑く、冬の寒さの穏やかな地中海性気候。
土壌 主に石混じりの粘土石灰質土壌。
栽培

"「良いワインは良い葡萄から」をモットーとし、高度な技術と手間暇をかけて、葡萄の樹1本1本を大事に育てている。「リュット・レゾネ」と呼ばれる減農薬農法を基本方針とし、病気に対しては専門家のアドバイスをもとに自然環境に配慮した方法で必要最小限の処置を行う。害虫に対しては、その天敵動物を投入して被害の拡大を防ぐ方法を取ることもある。
“テラ・ヴィティス”(「自然環境に配慮した栽培・醸造」を基本理念に掲げる、ぶどう栽培者と醸造者から始まった全フランス規模の団体)の認証も受けている。"
また5年に一度畑の土壌の状態を分析し、必要ならば施肥を行う。このとき用いるのは自家製の有機肥料で、ワイン醸造の過程で生じたマールや澱などに家畜の糞を15%ほど混ぜて作ったものである。手入れの行き届いた畑では、畝と畝の間にわざと雑草を残し、余分な養分を吸収させるという独自のノウハウも駆使している。

収穫 収穫前には「青刈り」と呼ばれる、収穫量を減らして品質を上げるための作業を実施。収穫方法は一部の手摘みを除き、80%ほどが機械摘みだが、収穫後の手作業による選果を徹底している。
品種構成

Cabernet Sauvignon (カベルネ・ソーヴィニヨン)Sauvignon Blanc (ソーヴィニヨン・ブラン)
Cabernet Franc (カベルネ・フラン)Chardonnay (シャルドネ)
Merlot (メルロ)Muscat a petit grain (ミュスカ・ア・プティ・グレン)
Syrah (シラー) Viognier (ヴィオニエ)
Grenache (グルナッシュ)
Zinfandel (ジンファンデル)
Carmenere (カルメネール)

平均樹齢 17年
総ワイン生産量 750,000本 (赤:50%、白40%、ロゼ10%)
使用苗台木 SO4、R.110、3309
評価・プレス

★「コンクール・ジェネラル・パリ」にて多数のメダル獲得。
★「ル・クラスマン・デ・ヴァン・ド・ラングドック・ルーション」(2000年刊行)に掲載される。
★「メリディエンヌ2003」がオランダのロゼワインコンクールで最優秀賞に選ばれる。
★ロバート・パーカー著「フランスワインガイドブック」にて「エキノックス1998」の88点を初め、
 たくさんのワインが高い評価を得る。
★ガイドブック「ゴー・ミヨー」にて毎年高評価。2011年度版には7種ものワインがエントリー。
★フランスで最も信頼されるガイドブックの一つ、「ル・ギィド・アシェット」にて高い評価を得る。
★「世界のメルロコンクール」にて、2008年には“キュヴェ・サンテーズ・フュ・メルロ '07”が金賞
 受賞。2010年大会でも、同キュヴェが銀賞受賞。
★オランダのワイン専門誌が開催するコンクールで、ヨーロッパのカベルネ・ソーヴィニヨン部
 門において、唯一の5つ星評価で1位を獲得。
★「ヴィナリー・インターナショナル・コンクール」で、「カベルネ・ド・ラルジョル 2009」と「パラドッ
 クス 2009」が銀賞を獲得。

 

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