Weingut Geschwister Köwerich G・ケーヴェリッヒ醸造所

 

マルクス・レグネリー 写真左 

 

所在地

モーゼル地方

ライン河最大の支流であるモーゼル河流域は、ラインガウに並びドイツで優れたワインを生み出す地域である。冷涼なこの地域でもブドウがしっかりと太陽の光を浴びることができるように、ブドウ畑は河の両岸の切り立った急斜面に広がっている。ケーヴェリッヒ醸造所はそのモーゼル河の中部にある小さなケーヴェリッヒ村のほぼ中心に位置し、ワイナリーの目の前の通りが「ベートーヴェン通り」である。

 

総畑面積:14ha

 

著名な畑

Köwericher Laurentiuslay (ケーヴェリッヒャー・ラウレンティウスライ)、他

品種構成

Riesling (リースリング) 80%
Müller-Thurgau (ミュラー・トゥルガウ) 、他

歴史 

このワイナリーは、あの大作曲家ルードヴィッヒ・ファン・ベートーヴェンの母親、マリア・マグダレーナ・ケーヴェリッヒが生まれ育った家である。
ケーヴェリッヒ家は300年以上続き、トリアーの司祭と選帝侯に代々仕えて、選帝侯の所有するブドウ畑と農園の管理・運営を任されてきた。中には選帝侯の管理庁からトリアー侯の代理人である参事に任命された者や、直接宮廷に仕えた者もあるほど、この村の中心で重要な位置にあった。
ベートーヴェンの母マリアの父と祖父もそのようにして選帝侯の居住地であるトリアーとコブレンツに職を得た。そしてその娘マリアは、ボンに居をおいていたケルン選帝侯の宮廷テノール歌手であったヨハン・ファン・ベートーヴェンと結婚し、1770年12月に生まれた第三子が、ルードヴィッヒ・ファン・ベートーヴェンであった。彼は、幼少の頃から慣れ親しんだケーヴェリッヒワインを愛飲し、晩年にはここで造られたワインをわざわざウィーンまで送ってもらい、それを飲みながら「第九交響曲」の作曲を手掛けたと伝えられている。
そしてこのケーヴェリッヒ家のワイン造りを1959年に引き継いだのが、親類にあたるレグネリー家である。現当主のマルクス氏でレグネリー家としては二代目であり、母マリアから数えると、9代目の末裔となる。
マルクス氏は名門「ガイゼンハイムワイン大学」を卒業後、1993年に正式にワイナリーを父親から引き継いだ。「品質においても偉大なる作曲家ベートーヴェンの名に少しでも近づけるよう努力したい」と、彼は日々チャレンジを続けている。

評価・プレス

2001年「全ドイツ・ワインコンテスト/辛口リースリング部門」において、500を超える醸造所の中から見事第一位の栄光に輝いた。