Clos La Coutale クロ・ラ・クータル 

 

Philippe BERNEDE(フィリップ・ベルネド写真中央左

 Sébastien BERNEDE(セバスチャン・ベルネド写真中央右

 

所在地

南西地方

ボルドーから東に180km、トゥールーズから北に90kmに、総面積4,100haのA.O.C.カオールは位置する。中央山岳地帯の端に蛇行するロット川沿いにあるヴィール村に、クロ・ラ・クータルは畑を持つ。標高は300mである。

 

総畑面積:100ha(2012年~)

平均樹齢:30年

植え付け密度:5,000本/ha

剪定方式:ギュイヨにより1株当たり6~7芽

使用苗台木:SO4, R110,420A

接ぎ木選別法:クローンセレクションにより生産量が少なく品質の高い苗を選別

 

原産地呼称

AOC Cahors (AOC カオール)

品種構成

Malbec (マルベック) 85%
Merlot (メルロ) 15%

気候

大西洋気候の影響を受ける内陸性気候。冬は寒さが厳しく、夏は非常に暑い。ロット川の蛇行と川沿いの土地の起伏がミクロクリマを作り出す。特にクロ・ラ・クータルの位置する場所は夏期雨が少なく、冬強風と寒さを避けられる。

土壌

カオールは台地にある粘土石灰岩質土壌とロット川沿いの斜面のグラーヴ(小砂利)、ガレ(シャトーヌフ・デュ・パプタイプの大きな丸い石)、珪岩、石灰岩の入り混じった土壌の2つのタイプに分かれるが、クロ・ラ・クータルは後者に属する。カオールの中でも最も早く葡萄の熟する、水捌けの良く、温まりやすい、ミネラルの豊富な土壌である。

栽培

土壌を深く耕すことに重点を置いている。それは葡萄樹の根を最大限に深く発達させる為であるのと共に、土中に空気を送り込み、活性化した土壌とする為である。生きた土壌とする為に一切の化学除草剤を使用せず、手作業で除草する。肥料も堆肥、有機肥料のみの使用。収穫量のコントロールの為、剪定時一株当たり七芽のみに限定し、春、出芽の後摘芽を施す。収穫近くには、摘房により最終調整をする。また同時期、果実周辺の葉を摘み取り病気の発生を防ぐ。さらに葉群による光合成の効率を高める為、パリサージュにより新枝を誘引し、なるべく枝を広げ高さを最大限にしている。2021年より有機栽培への転換を開始し、最終的にはブドウ畑全体を有機栽培にする予定である。

歴史

現在の所有者の6代前にこのドメーヌが造られた。そして、1895年に、パリ・ワインコンクールにて銅賞を獲得する。その後家族経営の醸造が続く。常に格付けレストランによりセレクションされる、カオールを代表するワインである。
父親のヴァルミー・ベルネド氏は引退し、フィリップ氏がワイナリーの経営を担っていたが、現在は、2020年からワイナリーで働いている息子のセバスチャン氏が徐々に経営を引き継いでいる。合計8人のスタッフで畑と蔵の両方の仕事を行なっている。

評価・プレス

 ★1895年「パリ国際農業コンクール」ですでにメダルを獲得。100年後の1995年にも同コンクールでメダルを獲得
★1989年世界最優秀ソムリエに輝いたセルジュ・デュブス氏が、自ら働く三つ星レストラン“オーベルジュ・ド・リル”のワインリストに、カオールの最良ワインとしてセレクト。その他にもパリの有名レストラン“タイユヴァン”や三ツ星の“ランブロワジー”など、多くの星付きレストランでオンリストされている。
★2009年にはアメリカのワイン雑誌「ワインスペクテーター」で、世界のトップ100に選出