ラングドック地方
ラングドック地方の中でも標高の高いフォジェール地区。「ドメーヌ・バルディ・ダルキエ」はその中でも約200mという高地に位置する。地中海性気候のラングドック地方はフランスでも暑い地域だが、フォジェール地区は標高が高いため、風通しが良く涼しい。そのため完熟しても良質の酸が残り、ワインに上品さを与える。
葡萄畑は日照に恵まれた南向きの斜面にある。この丘はラルザックという山脈の支脈にあたり、その麓に広がっているのがエロー県である。
総畑面積:11ha (内1haが白葡萄)
平均樹齢:20年
総ワイン生産量:450~500hl
剪定方式:コルドン・ロワイヤ方式
AOP Faugères (AOP フォジェール)
IGP Pays d\'Hérault (IGP ペイ・デロー)
Syrah (シラー)
Grenache (グルナッシュ)
Mourvèdre (ムールヴェードル)
Marsanne (マルサンヌ)
Roussanne (ルーサンヌ)
Grenache Blanc (グルナッシュ・ブラン)
Sauvignon Blanc (ソーヴィニヨン・ブラン)
山の風の通りが良くて涼しく、土壌の影響により良質の酸味を持ったワインが産まれる。
小石の多いシスト土壌で、ミネラル度が高いワインが産まれる。すぐ粉々に砕ける岩石で葡萄の根が通りやすいため、乾燥している時期でも水分を充分に吸収することができる。
自然な農法を実践し、広い斜面の草は生やしたままにしている。病気対策としては粉末硫黄を撒布する。全体に収穫量を抑えて葡萄の果実味を濃縮させている。
長年に渡る環境に配慮した農業と生産システムが認められ、2019年、HVE認証(=Haute Valeur Environnementale フランス農業・食料省による高環境価値認証)の最高レベル3を取得した。
手摘みで収穫。赤ワイン用の葡萄は非常に良く熟している場合以外は除梗する。
チボーさんは、20年間の銀行勤めの後、ワインの造り手に転身。2014年、モンペリエでドメーヌ・アルキエが売りに出ていることを知った。ジャン=ミッシェル氏のワインを飲んだことがあり、その素晴らしさを知っていた彼は、ジャン=ミッシェル氏に会いに行き、ブドウ畑が自分でできる10haであること、ジャン=ミッシェル氏が最初の数年間をサポートしてくれることを知り、ドメーヌを買い取ることを決めた。モンペリエの農業学校でブドウ栽培の基礎を学び、2017年にワイナリーを設立。2017年、2018年の2年間は、ジャン=ミッシェル氏と一緒にブドウ栽培、ワイン醸造を実施したが、2019年からは、奥様のソフィーさんと完全に2人でワインを造っている。ブドウ栽培家への転身に当たっては、奥様のソフィーさんも賛成した。銀行では約2年毎に転勤があり、一度も持ち家を持ったことがなかった。最後のモンペリエで、ソフィーさんもこれ以上引っ越しはしたくないとチボーさんに言い、チボーさんも50歳を境に人生を見つめ直したかった。チボーさんは、フランス南西部のペリゴール出身。
★「Le classement des vins du Languedoc-Roussillon(ル・クラスマン・デ・ヴァン・デュ・ラングドック・ルーション)2007」で高評価
★ガイドブックを超えた「聖書」と絶賛された(フィガロ紙)「Bettanne&Desseauve2002」で高評価、「Les Bastides(レ・バスティード)2000」が9点(/10点)