コート・デュ・ローヌ地方
コート・デュ・ローヌ南部。シャトーヌフ・デュ・パプの中でも最北に位置する。
その上、この地区では珍しく北向きの畑であるため、夏の暑さが厳しいコート・デュ・ローヌ地方でもフレッシュさを残すことができ、“フィネス”と呼ばれる繊細さやバランスの優れたワインが生まれる。
総畑面積:33ha(15ha:AOCコート・デュ・ローヌ、10ha:AOCシャトーヌフ・デュ・パプ、8haVDPド・ラ・プランシポテ・ドランジュ)
平均樹齢:40年
総ワイン生産量:約900hl
剪定方式:樹齢の高い樹はゴブレ仕立てで結果母枝を短く仕立てるが、比較的樹齢の若い樹は垣根仕立てで針金を使って枝を伸ばすなど、樹齢に応じて丁寧な剪定をしている。
AOC Châteauneuf-du-Pape (AOC シャトーヌフ・デュ・パプ)
AOC Côtes du Rhône (AOC コート・デュ・ローヌ)
Vin de Pays de la Principauté d'Orange(VDP ド・ラ・プランシポテ・ドランジュ)
Grenache(グルナッシュ)
Mourvèdre(ムールヴェードル)
Counoise(クノワーズ)
Cinsault(サンソー)
Syrah(シラー)等
樹齢の高い樹から、収穫量をグッと抑えた、風味の強い葡萄ができる。
コート・デュ・ローヌ南部は、地中海性気候で、ミストラル(ローヌ渓谷を吹きぬける強い北風)の影響を受ける、1年を通して非常に乾燥した気候。
土壌は主に石灰岩質の瓦礫が混ざる赤粘土質土壌でできている。表土は砂利質の土壌が多く、日中は温かさを蓄え、夜間に熱を発散して果実の成熟を助ける。区画は日差しに適した丘の中腹にあり、充分な日照量を得ることができる。
ここではできるだけ自然な形でワインを造るよう、除草剤や化学肥料は一切使用せず、昔ながらの伝統的な方法で栽培している。ドーマン氏は、この地の非常に特徴のある土壌の個性を表現することに情熱を傾けている。ただ、自然を尊重するには、手をかけすぎて自然環境を変えてはいけない。雑草を適度に耕して除草すれば、自然にバランスが取れた環境ができあがり、有機農法が可能となる。 病気の対策は現在は畑の自然環境が全体にバランスが取れているため、樹齢の高い古木は比較的容易。収穫量を低く抑えることで病害虫に対する抵抗力が高まっているため、有機農法で使う農薬でさえあまり必要ない。若い樹に関しては、畑の状態をまめにチェックしながら、ボルドー液など天然の物を使って対応している。
なお、2004年からは全ての区画で「ビオディナミ農法=生力学農法」を実践。2010年にはビオディナミ農法の公的認証機関である「Demeter(デメテール)」により正式に認定されている。
主に手摘み。葡萄畑と醸造所の2ヵ所で丁寧に選果作業を実施。葉っぱや未熟果等を取り除いて、完全に熟した果実だけを選別している。
この醸造元の歴史は長く、18世紀初頭に遡る。現在のオーナー、ジャン=ポール・ドーマン氏で5代目になる。ドーマン家がこの地を手に入れたのは1905年。以来、着実に力をつけ、かつてネゴシアンへの樽売りが主力であった時代に、いちはやく醸造者元詰めとういう形態でワインを売り始めたパイオニア的存在であった。また、ヨーロッパ全土を襲ったフィロキセラの害を逃れた希少なワイナリーで、樹齢100年を超える樹が今なお実を結んでいる。ジャン=ポール氏自身は、1991年から。
★ジェブ・ダナック氏(※ロバート・パーカー氏の後継者で、ザ・ワイン・アドヴォケイトから独立した方)によって、シャトーヌフ・デュ・パプ・ルージュ 「レ・オー・リュー」2018年が、「2020年の年間トップ100」で第1位という高評価
★ロバート・パーカーJr.「The Wine Advocate」で、「シャトーヌフ・デュ・パプ・レゼルヴ」の2000年、2001年、2003年、2005年が、100点満点という高評価
★ワインファンに定評のあるガイドブック「フランス最高ワインガイド(旧クラスマン)」で、毎年必ず高評価を獲得