Château Lafleur du Roy シャトー・ラフルール・デュ・ロワ 

 

Laurent DUBOST(ロラン・デュボスト)

 

所在地

ボルドー地方

シャトー・ラフルール・デュ・ロワは、ボルドー五大銘醸地区の中で最も小規模なポムロール地区にある。ポムロール地区は土壌と品種の組み合わせにより、まろやかさとコク、そして豊潤なアルコール分を持った個性的な赤ワインが造られる産地とされ、世界中にファンを持つ。ワイナリーは「カテュソー」という村にあり、ポムロールでも特に優秀な葡萄を産出するといわれているやや高台になった一帯に位置している。

 

総畑面積:15ha

平均樹齢:34年

植え付け密度:5,500本/ha

剪定方式:ギュイヨ・サンプル方式

 

原産地呼称

AOC Pomrol (AOC ポムロール)

品種構成

Merlot (メルロ) 85%
Cabernet Franc (カベルネ・フラン) 10%
Cabernet Sauvignon (カベルネ・ソーヴィニヨン) 5%

気候

大西洋から吹く風がなだらかなボルドーの大地を通り、温暖な気候をもたらしている。

土壌

小石混じりの砂質で、その下はポムロール特有の鉄分を含んだ地質になっている。昔からポムロールのワインは貧血に良いと言われているのはこのためである。

栽培

ロランさんは、栽培・醸造学の勉強を終え、1986年よりワイン造りに参加している。ここでは「一株当たり4~6芽になるよう厳しい剪定をする」「完熟のタイミングを待って、最高の状態で手摘みする」「約3週間にも渡る長期のマセラシオン」をポイントにワインを造っている。また「リュット・レゾネ(除草剤等の農薬を極力使わない農業)」を取り入れており、システム的な農薬散布は行なっていない。土壌に宿る動物相(昆虫や微生物)と植物相が活性化された状態を維持して、樹勢のバランスの取れた丈夫な葡萄を育てるように心がけている。
葡萄の生育期間中は樹の栄養が無駄なく果実に蓄積されるよう、摘芽、摘心、過剰果の間引きなど毎日葡萄の状態を観察しながら手入れを続ける。肥料は、窒素、リン、炭酸カリウムを主成分とする堆肥を毎年少量ずつ与えている。

収穫

一房ずつ丁寧に手摘みした後、果実が潰れないようにプラスティックケースで運搬。

歴史

1289年に十字軍の騎士団が、この地に病院と教会を建て、ポムロールのワインを巡礼者達に飲ませて休息させていた記録が残っている。しかし、100年戦争(1337~1453年)のときに、この地は戦場と化し、葡萄園はほぼ全滅してしまった。つまり、現在のポムロールの葡萄園は、100年戦争以降に再生されたものなのである。
このシャトーの葡萄園は、代々デュボスト家によって運営されてきたが、シャトー名を名乗って醸造元元詰めを始めたのは1958年、前所有者のイヴォン・デュボスト氏の代からである。デュボスト氏は、1995年まで永年に渡りポムロール市長を務めたほどの人物で、地元での信頼も大変厚かった。それは、ポムロール・ワインの発展のために多大な情熱を注いだ人物だから。一時は苗木の研究と栽培も自分で行ない、あの“シャトー・ペトリュス”からも苗木を買いに来た。その後も、“ペトリュス”で苗木の栽培上の問題が生じると、デュボスト氏にアドバイスを求めに来たそうだ。
気さくで人情味あふれるデュボスト氏には、世界中に多くのファンがいた。特にベルギーには熱狂的なファンが多かった。現在、長男のロランさんが栽培、醸造技術を継承し運営している。彼もまた父親に負けず、品質向上への努力を惜しまない。数種類の葡萄の苗木を実験的に栽培し、より品質の高い葡萄を収穫する為の研究を続けている。

評価・プレス

★「デキャンタ・コンクール」で、三ツ星評価を獲得
★「パリ国際農業コンクール」や「アキテーヌ・コンクール」で、何度も金賞を受賞
★「ギィド・アシェット」でも星付きの高評価を獲得