ボルドー地方
ワイン王国のフランスでも、その品質の高さと味わいの多様さで世界的に有名なボルドー地方。二つの川が合流しジロンド河となって少し下った右岸の「アングラド」と呼ぶ村にシャトーがある。対岸には、かの有名なメドックのポイヤック村がある。
総畑面積:40ha
総ワイン生産量:200,000本
AOC Blaye Côtes de Bordeaux
(AOC ブライ・コート・ド・ボルドー)
Merlot (メルロ) 60%
Cabernet Sauvignon (カベルネ・ソーヴィニヨン)
Cabernet Franc (カベルネ・フラン)
Malbec (マルベック)
Petit Verdot (プティ・ヴェルド)1ha
Sauvignon Blanc (ソーヴィニヨン・ブラン)4ha
ボルドー地方は、大西洋沿岸の北緯45度という緯度にありながら、暖かいメキシコ湾流の影響で温暖な気候となっている。また海岸近くには帯状に森林地帯があり、海から吹く風をさえぎる作用によって、一層温暖な気候となっている。ブライ地区の中でも河口に近いため、海洋性の影響がやや強く、ぶどうの熟度が高くなる微気候を備えている。
ジロンド河からアングラド村に続く斜面の粘土石灰質の土壌にぶどうが植わっている。地中は砂利が混じる石灰質の地層がたくさん重なっている。その表面には、薄いのだが非常に硬い地層があり、ぶどうの根は大きく育つためにその下へと伸びていかなければならない。しかしその地層を突き抜ければ、下は適度な保湿力がある土となり、日照りに強いぶどうになる。
ポムロー氏は大変几帳面な性格の持ち主で、畑を細かなブロックに区切り、それぞれのぶどうの出来具合を長年に渡って記録し、ぶどうの品質の等級をつけている。
長年に渡る環境に配慮した農業と生産システムが認められ、2022年、HVE認証(=Haute Valeur Environnementale フランス農業・食料省による高環境価値認証)の最高レベル3を取得した。
1680年に、貴族メリニャン候の騎士「ラ・ラズ・カマン」が所有していたぶどう園で、1857年にポムロー家の先祖が所有者になった。品質アップを続け、1868年頃には、完熟度が高く濃厚で構成のしっかりしたワインとして大変評判が高くなり、通称「フェール」という名で対岸のポイヤック村へ多く出荷されていた。当時はネゴシアン(=ワイン商)が各地区のワインを買い付け、ブレンドして世界へ輸出していたことから、ラズ・カマンもポイヤック周辺のワインとブレンドされて、銘嬢メドックワインとして出荷されていたのであろうと想像される。
6代目オーナーであるジャン=フランソワ・ポムロー氏は、新技術の導入や品質向上に努め、その人並みはずれた努力が評価されて、ブライ地区でリーダー的存在になりつつある。彼は元ラグビーの選手で、今では地元ラグビークラブの指導者として後輩の指導に当たっている。また夫婦揃って野鳥保護活動を行っており、心優しいワイナリーの畑には毎年コウノトリが住み着き、地元で話題になっている。
現在は、7代目のカール氏とラファエル氏が跡を継いでいる。
醸造の時は、ブロックごとに収穫したぶどうを別々に醗酵させて、ぶどうの良さを引き出すように注意する。そして最上級の原料だけで仕込んだワインのみが、「シャトー名」を冠したトップキュヴェになる。
樽熟成には、材料の原産地、内面の焼き加減、製造メーカーにこだわり、品種や作柄に応じた樽を厳選している。熟成期間;12~14ヵ月。
★トップキュヴェである「シャトー・ラ・ラズ・カマン」は、パリの有名なナイトクラブ「リド」にも納品されている。
★「インターナショナル・ワイン・チャレンジ・コンクール2011」で、銀賞受賞
★「ギッド・アシェット2012」でも星付きの高評価獲得!