ワイナリー名 : Jean-Marc Laforest
原産地呼称 : AOC Beaujolais-Village
          AOC Régnié ほか
所有者    : Jean-Marc Laforest
総畑面積   : 17ha

ワイナリー
ブルゴーニュ地方はボルドー地方と並び、フランスを代表するワイン生産地です。ボルドー地方と比べると田舎っぽさが残っています。その南北に長く伸びた生産地は白ワインで名高いシャブリに始まり、マスタードで有名なディジョンまでの約300kmに渡って広がっています。
ジャン=マルク・ラフォレはブルゴーニュ地方南部のボージョレ地区、レニエ・デュレット村の“シェ・ル・ボワ”という集落にあるドメーヌです。レニエ地区の丘陵地に広がるぶどう畑と、アルデンヌの谷間に広がる平原とのコントラストが大変美しいところです。

産地の特徴
中央山脈から発生する西風の影響によって、夏はやや天気の変わりやすいミクロ・クリマ(微気候)となっています。畑は花崗岩がくだけて砂のようになった、水はけが良い、痩せた土壌です。 

"新酒"を求めたリヨンの人々
19世紀の偉大な科学者パストゥールによってワイン醸造の原理が解明されるまで、醗酵から熟成中の生産管理が曖昧だったため、現在のように瓶詰めされたワインは長持ちせず酸敗していました。したがって「ビン詰め後何年も熟成させて古酒を楽しむ」という習慣はほとんど見られず、できあがった新しいワインが傷んでしまう前に飲み干していたようです。とりわけ「ボージョレ・ワイン」は、ボージョレ地方の気候と花崗岩質土壌に適したガメイ種を使って造られ、当時からフルーティーで軽やかな風味を特徴としていました。
ボージョレ地方から少し南下した所に、フランス中部の大都市リヨンがあります。リヨンは、絹の生産や石炭の採掘といった産業が盛んで多くの人が行きかい、裕福層や貴族、教会関係者なども多く、ワイン生産者にとって魅力的な市場でした。

秋になって収穫を終える頃になると、人々は酸っぱくなった古いワインに興味をなくし、新鮮で果実味いっぱいの新酒を待ち望むようになります。そこで、酒商や仲買人はこぞってボージョレヘ出向き、仕込み中の蔵を訪ね、質の高い新酒を買い求めました。そしてリヨンの人々に販売していたのです。
ボージョレ地方は、ブルゴーニュ地方北部の山間部より温暖でぶどうの成育が早く、この周辺のワイン産地の中ではワインのでき上がりが早かったため、昔から「ボージョレ地方の新酒」として非常に人気が高かったのです。
このようにしてボージョレ・ワインの多くは地元消費されていたようです。

ボージョレ・ヌーヴォーの誕生 
ボージョレといえば「ボージョレ・ヌーヴォー」はあまりにも有名ですが、いつ頃からその名称が誕生したのでしょうか?
第2次世界大戦後、フランスのワイン産業は、その販売先を少しずつ世界へと広げていきました。それに伴い1936年に「AOCを名乗るワインは収穫年の12月15日以降でなければ蔵から出荷できない」という法律が制定されましたが、「生産者が規則に沿って『出荷計画表』を提出すれば、その日付けより前に出荷してもよい」という特例付いていました。
しかし1951年春、この条例の見直しが行われ、廃止されることになったのです。これは、「早く飲めるワイン」として昔から人気の高い「ボージョレ・ワイン」の影が薄くなることを意味し、消費拡大を目指す生産者にとっては大きな打撃でした。当局は「ボージョレ生産者組合」の強い要望を受け、なんとか良い方法はないものかと思案をめぐらせました。そうして「AOCボージョレ」という名称に「ヌーヴォー」または「プリムール」という「新しいもの」を意味する言葉を付けることによって、早く出荷してもよいという特別措置がとられたのです。 
毎年秋が訪れると解禁日が待ち望まれるヌーヴォーですが、誕生の陰にはこんな物語があったのです。

手づくりの味
ジャン=マルク・ラフォレは、現オーナーのジャン=マルクさんで4代目となる家族経営のワイナリーで、通常彼と2、3人の従業員、そして奥さんのマルティーヌさんで運営しています。16歳のときからワイン造りを始めたジャン=マルクさんは、できる限り自然な方法でぶどうを栽培したいと、農薬などを極力使わないで健全なぶどうを育てることを基本としています。
収穫は手摘みで一気に行わなければならないため、毎年およそ35名のアルバイトを雇います。今では彼のような生産者も少なくなりましたが、ジャン=マルクさんは昔ながらに彼らに住み込みで働いてもらい、収穫期の間寝食を共にしています。労働で汗を流した後、アットホームな雰囲気の中で一緒にワインや料理を楽しむことも、ワイン造りの一環だとジャン=マルクさんは考えています。
こうして完熟までじっくり待って収穫されたぶどうは、丁寧に仕込まれ、フルーティーなだけでなく、コクと繊細さが見事に調和した果実味いっぱいのワインになります。これこそが、大量生産のワインには真似できない、生産者の愛情がたっぷり詰まった手づくりの味なのです。


レニエ地区の畑

 


収穫を待つ完熟したガメイ

 


健全なぶどうだけを収穫

 


バケツからトラックの荷台へ