ワイナリー名 : Champagne De Sousa & Fils 
原産地呼称 : AOC Champagne
所有者    : Erick De Sousa  
総畑面積   : 8.8ha

ワイナリー
パリから東へ約130kmのところにあるシャンパン街道拠点の町、エペルネ。その南部には「コート・デ・ブラン」、日本語にすると「白い丘」と呼ばれる地区が広がっています。シャンパーニュ・ド・スーザ・エ・フィスは、特級に格付けされた畑が連なるコート・デ・ブラン地区のほぼ中心にあるアヴィーズ村に蔵を構えるシャンパーニュ生産者です。「レコルタン・マニピュラン」といわれる、ぶどう栽培から製造までを自社で手がける生産者で、家族経営の小さな蔵元です。

産地の特徴
北緯49度、フランスでも最北部に位置するこの産地は、冬は寒く、雪が積もることも珍しくありません。年間の平均気温は10℃と、ぶどうの栽培環境としては厳しい気候条件ですが、地理的な特性によってそれを補っています。シャンパーニュ地方独特の白亜質の地層は水はけがよく、ミネラル分を豊富に含んでいます。また、ぶどう畑の多くが丘陵地にあるため、十分な日照が得られることも、よいぶどうを育てるための大事な要素となっています。

エリック・ド・スーザの挑戦
シャンパーニュ・ド・スーザは、現在のオーナー、エリックさんのおじいさんの代に、ポルトガルからこの土地に移住し、シャンパーニュ造りを始めました。エリックさんは、14歳の時からすでに父親の元でシャンパーニュ造りを学び始め、1986年に後を継ぎました。栽培総面積は7ha弱と小規模ですが、繊細でバランスの取れたシャンパーニュを造る優れた蔵元として、近年、その評価は確実に高くなってきています。毎年開催されるパリの農産物コンクールや、世界のシャルドネコンクールでも度々金賞を受賞し、ワインガイド「ル・クラスマン」2005年度版ではシャトー・ラフィットのシャルル・シュヴァリエやクロ・ド・ラ・クーレ・ド・セランのニコラ・ジョリーたちと並んで「偉大な生産者20人」にも選ばれています。また、ホテル・リッツやアルページュなどの三ツ星レストランでも取り扱われていることからも、その実力がうかがえます。しかし、老舗ともよべる大手シャンパーニュ・メーカーがしのぎをけずる中、無名の小さな蔵元が大手に肩を並べるのは、容易なことではありませんでした。

戦後、近代化が進み、農薬や除草剤、化学肥料などを使うことによって農業が効率化されました。シャンパーニュ地方も例外ではなく、それによって一定の質と生産量を確保することが可能になりました。しかしその反面、どの蔵も個性を失っていったのです。そんな中、「シャンパーニュの、そしてアヴィーズ村のテロワールにこだわってワインを造りたい。テロワールをできる限りワインの中に表現するためにはどうしたらよいか」と、エリックさんは悩みました。近代農法の限界に気付いた彼は、あえて手間ひまのかかる、昔ながらの有機無農薬栽培に戻しました。そして、試行錯誤の末彼が選んだのは、生力学農法、いわゆる「ビオディナミ農法」とよばれる方法でした。

「ビオディナミ農法」とは、農薬や除草剤、化学肥料を一切使用せず、天体の動きがぶどうや畑にもたらす影響を考慮した栽培方法です。化学物質を一切排除し、天体の動きに合わせながら進めるワイン造りは、決して楽ではありません。しかし、「近代農法が発達していなかった頃は、ごく当たり前のことだった」とエリックさんは言います。おいしく、身体にもやさしいシャンパーニュを追求するためなら、エリックさんはどんな努力も惜しみません。最初は一部の畑だけで実験的に始めましたが、現在では全ての畑をビオディナミ農法で栽培しています。

ひと口含むと、なめらかな泡立ちとともに、もぎたてのかんきつ類のような爽快な味わいが、ごくゆったりと広がっていきます。自然の恵みと造り手の情熱が生み出したシャンパーニュには、人を感動させる力があります。


コート・デ・ブランの畑


2月中旬頃の畑


ビオディナミ農法によって栽培する
シャルドネ

 
瓶詰め作業

   

シャンパーニュ生産者の仕事を表した
看板


オーナーと家族